The Circle

むかーしむかし、店の横に自販機を設置していたころのこと。
ある朝出勤すると、自販機の横にゴミ袋が放置されていた。
自販機のよこに空き缶が放置されているのはよくあることだし、ゴミ箱を設置していなかった(コカコーラマークの赤いゴミ箱は盗まれて失くなった)ので、空き缶を置いていくのはしようがないと思っていた。

でもその日の朝のごみ袋は清涼飲料水の空き缶はもちろん、弁当クズから菓子の空きパッケージ、ビールなどのアルコール飲料の缶、そのほか日常生活で出たであろう汚いものが分別もされず色々入れられていた。
ぼくは「やれやれ」と思いながらも、中身を分けて処分することにした。
袋を開いて、燃えるものとそうでないものを分けようとした。

ふと、その中に公共料金の請求書やハガキ、手紙の類いが入っていることに気がついた。
その宛先はすべて同じ住所と名前。
つまり放置していった犯人がこの人物であろうことは容易に想像できる。

ニヤリ( ̄ー ̄)
ぼくは仕返しを思いついた。

目には目を、歯には歯を、ゴミにはゴミをである。
せっかくなので倍返し・3倍返し、いや、10倍返しにしてやろうと心に決めた。

彼がここにゴミを捨てたことを忘れるように、2週間の準備期間をおくことにした。
仕返しの仕返しをされたら意味ないしね。
2週の間に店の横に放置されている空き缶を集めておいた。
集められたゴミは70Lのゴミ袋にやがていっぱいになった。

そして2週間後の早朝、決行の時はきた。
たっぷり溜めた空き缶と彼が捨てていったゴミの中身を一袋にまとめ、彼のアパートの玄関先まで運んだ。
彼の捨てていったものを同梱したのは、彼が再度その袋を別の場所に放置しても、それは彼の仕業だと分かるようにだ。

6時前には彼のアパートに到着した。
部屋番号とポストの名前を確認して、部屋を間違えていないか確認した。
彼の部屋の玄関先には自動車の替えタイヤが積んであった。
そのタイヤはアパートの狭い通路に置かれているものだから、部屋の扉は90度までは開かないだろう。
タイヤと玄関扉の間に、そう、扉を開けるのが軽く不都合になるような場所に、そのゴミ袋は置かれた。

朝起きて出勤するときに、彼はどんな顔をしたのであろうか。
そのゴミをどうしたんだろう。
少なくともぼくの店には仕返しの仕返しはきていない。

いま思い返してみればわらびしいことをしたと思うけど、ゴミはやっぱり自分できちんと始末しようね。
というお話でした。

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